脊椎側弯症・変性後側弯症
症状
- 子どもの頃に側弯症を認めていた方が、年齢と共に椎間板や椎体の加齢性変化が進行したり、加齢性変化のみで椎間板や椎体の変形が進行したりすることで、背骨が曲がってきます。姿勢が維持できず、日常生活に支障をきたします。
- 腰背部痛を自覚したり、歩行時に腰痛と共に前傾姿勢が強くなり歩けなくなったりします。
病態
- 進行すると、太腿や膝から下にしびれや痛みが出て歩きづらくなったり、下肢の力が落ちたり、肛門周囲のほてりや尿の出が悪くなったり、逆に尿が漏れることもあります。
前後方矯正固定術
〈前方〉側臥位(横向き)の状態で行ないます。左の脇腹を切開し、後腹膜側から筋肉を避けながら器具を椎体の前方まで挿入します。側弯の原因になっている椎間板を切除し、ケージというスペーサーを挿入します。脊柱をできるだけまっすぐに、かつ、ねじれをできるだけ減らします。
〈後方〉腹臥位(うつ伏せ) の状態で行ないます。脊柱にスクリューやフックを挿入しロッドと連結します。ロッドの回旋操作やねじり戻す操作を加えることにより、脊柱をできるだけまっすぐに、かつ、ねじれをできるだけ減らします。
- 手術データ
- 麻酔全身
- 手術時間〈前方〉3時間程度〈後方〉4時間程度
- 手術創〈前方〉左脇腹に8cm程度〈後方〉背中の正中
(大きさは施術範囲により異なる) - 入院期間3~4週間程度
- 術後の効果
- 側弯症の矯正と共に骨盤やからだの傾きが改善されることにより、臀部痛、腰痛の改善が期待され、座りやすさ、手の使いやすさも改善されることが期待できます。