首下がり症
首下がり症は、後方伸筋群の筋力低下が原因でなることが多く、首を持ち上げることができなくなるため、前を見ることがつらくなります。
このような状態に急になることもまれにありますが、肩が凝っているような違和感から始まり、症状が軽いため、この状態で気がつく方はあまりいません。
その後、頭部が重く感じるようになり、前にかがんだような状態になり、頭を無理に上げようとすれば、首や背中に痛みを感じます。このような状態は、日常生活の質を著しく低下させます。歩きにくくなったり、ご飯を飲み込んだり(嚥下)、呼吸することも苦しく感じる方もいます。
原因のチェックが大切で、頚椎症や加齢以外にも、病気が原因で起こる場合があります。
主な疾病は、パーキンソン病・ジストニア(筋肉が緊張し続ける)・ミオパチー(筋肉の力が弱くなる病気の総称)などがあります。また、近年では、腰の変形が起因となり、首下がり症が起こることも報告されています。
首下がり症の治療方法
- ① バランスの良い栄養を摂ることが大切です。
全身の筋肉量の減少、筋力の低下を特徴とするサルコペニア(筋肉減少症もしくは筋肉減弱症)と多く合併します。 - ② 首を支えている筋肉の多くは、肩と肩甲骨から発生しているので、首を動かすよりも、肩甲骨を動かすことが大切です。また、腰から曲がっている人は骨盤から姿勢を正さないと首が安定化しません。
治療は、投薬、装具、バンドなどありますが、運動やリハビリも大切です。それでも、生活の質が保てない場合は手術(写真右)を考慮します。