関節リウマチ
主に手や足の指に腫れや痛みが出現したり、朝のこわばりが出現したりするようになります。人によっては、股関節や膝関節、肘関節にも症状が現れる人もあります。関節の変形がみられることも特徴で、関節の破壊により指が短くなったり関節の脱臼が起こったりすることがあります。また、症状が対称的に出現することも特徴です。起こりやすい年齢は20~50歳代が多く、女性患者は男性の約5倍です。「関節リウマチ」という名前ですが関節にのみ影響を及ぼすわけではなく、貧血や37℃代の微熱なども出ることがあります。
関節リウマチはなぜ起こるの?
はっきりとした原因は分かっていませんが、細菌やウイルスの感染、遺伝的要因が関係しているのではないかと言われています。
関節リウマチは「自己免疫疾患」です。自己免疫疾患とは、自分の身体の一部を自分のものではないとしてしまい、それに対する抗体を作り反応してしまうことであり、徐々に軟骨や骨などを破壊してしまいます。最終的に関節が破壊しつくされると、変形を残し炎症はおさまります。
関節リウマチはどう診断して、どう治療していくの?
アメリカリウマチ協会の分類基準にて、診断します。分類基準は
- ① 1時間以上続く、朝のこわばり
- ② 3関節以上の関節炎
- ③ 手の関節炎
- ④ 対称性の関節炎
- ⑤ リウマトイド結節
- ⑥ 血清リウマトイド因子
- ⑦ X線像(レントゲン)の変化
であり、以上7項目のうち4項目以上に当てはまると、関節リウマチと診断されますが、近年はこの基準を満たす以前に早期診断して治療を開始すると経過が良くなると言われています。
関節リウマチは、早期の治療が大切です。関節の破壊が生じる前に炎症を抑える必要があります。治療には、薬物療法、手術療法、リハビリ・理学療法などがあります。
薬物療法では、炎症を抑えるための「非ステロイド系抗炎症薬」が主に用いられます。
手術療法では、炎症組織の切除や、変形の起こった関節を修復するなどの処置を行います。
リハビリ・理学療法では、温熱療法等で痛みを軽減させたり、腫れを引かせたりするようにします。他にも関節を装具で支えたり、運動を行い、筋力をつけることで痛みを軽減させたりします。