側弯症
体を前後方向から見て、脊骨が左右へ曲がった状態を脊柱側弯症と呼びます。また側弯は機能的脊柱側弯と構築性脊柱側弯があります。
機能的脊柱側弯は例えば腰の痛みによって、痛みの出る姿勢を回避しようとした結果、体が左右に曲がるため見かけ上脊柱が側弯しているようになることがあります。また、左右の脚の長さが異なったり脚の筋肉の柔軟性が低下しているケースでは、骨盤を左右へ傾けることで体のバランスをとろうとし、その結果として見かけ上の側弯となることもあります。
これらはリハビリや電気治療などによって、痛みや脚の筋肉などの柔軟性低下を改善することで、側弯が改善されます。また脚の長さが異なる場合にはインソールを入れることで側弯の改善も期待できます。
一方で構築性脊柱側弯では、背骨の配列自体が曲がっており肩甲骨や肋骨が隆起した状態となってしまいます。そのため、上記で述べたようにリハビリで痛みや脚の硬さをとることで側弯が改善されるといったことはみられません。この構築性脊柱側弯の多くは原因不明の特発性側弯症とされます。
特発性側弯症
全側弯症の7割から8割を占めるとされます。発症年齢によって乳幼児側弯症、若年性側弯症、思春期側弯症に区別されます。
特発性側弯症の有無の検査方法の一つ
体を前に屈めることで背中の左右どちらかが隆起していたり、両肩の高さが起立時に違ったり、腰の高さやくびれが左右で違う場合には軽度の側弯症を疑います。また、側弯の重症度を診る検査には、X線によって一次カーブと呼ばれるものと二次カーブとよばれるものをまず判断します。それによってCobb角という角度を出します。これが側弯の大きさを判断する検査の一つです。成長期の子供の場合には一度検査を行うだけでなく定期的なX-Pフォローでカーブの増大がないかどうかチェックが必要となります。
側弯症に対する治療方法
側弯がひどくなければ、一般的には生命への影響はないと考えてけっこうです。しかし、特発性側弯は成長期の女児に多いため、心理的に影響を受けることが多く、受診が遅れることがよくあります。そのため心のケアを行い病院受診し、治療を行っていくことが重要です。定期的なチェックで側弯が進行する場合にはボストン装具などでの側弯の矯正・保持が必要となります。それでも進行する場合には手術治療も必要となってくることもあります。