腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは、背骨や椎間板の変形によって、背骨の中にある神経の通り道(脊柱管)が狭くなることで、神経を圧迫してしまう病気です。
50~70代の方に多くみられる傾向がありますが、肉体労働をする方や他の背骨の病気による影響でも症状が出る場合がありますので、幅広い年代に起こりうる病気ともいえます。
腰部脊柱管狭窄症の症状
腰部脊柱管狭窄症の症状としては「腰の痛みや足のしびれ」などがありますが、大きな特徴として、「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」があります。歩いていると、だんだん足がだるくなったり、痺れてきたり、痛みがでてきて、歩くことができなくなってしまいます。しかし、座って休んだり、腰をかがめて立ち止まったりして、少し休憩することで、また歩けるようになるのが特徴です。続けて歩ける時間は1~2分から10分程度で、病気の進行具合で変わります。
また、腰を反らすと腰の痛みや痺れが強くなり、前にかがむと楽になるのも特徴です。前にかがむことで、神経を圧迫している場所が緩むためです。自転車には楽に乗れる方が多いのは、自転車に乗る際には前かがみになることが多く、神経の圧迫が緩む為です。
このような症状がみられる方は、腰部脊柱管狭窄症の可能性がありますので、悪化する前に、なるべく早く医療機関を受診することをおすすめします。
腰部脊柱管狭窄症の治療法
腰部脊柱管狭窄症の治療法は、大きく分けて保存療法と手術療法の2つに分けられます。
保存療法とは、手術をしない治療のことで、症状の軽い段階では、こちらを選択するのが一般的です。血行を良くするためのホットパックや牽引、腰や足のストレッチ・筋力強化を行う運動療法、痛みを和らげるために内服薬や、貼り薬、ぬり薬、漢方を使った薬物療法などがあります。
しかし、腰や足の痛みや痺れが進行して、普段の生活に支障が出てくる場合には手術療法が行なわれます。手術は、背骨の中の神経の通り道を広げて、神経への圧迫を取り除くことを目的として行います。